持続可能な地域経済は持続可能なエネルギーで

目次

地域活性化は再生可能エネルギーを使った地域経済循環で

地域の中小企業は地域の暮らしの血流である地域経済を下から支える役割を担っています。中小企業が元気に活躍するためには、自助努力と共に、地域を含めた国全体に資金が循環する環境を整備する必要があります。そのための有効な方策のひとつはエネルギーに関して、具体的には、個々の中小企業がそれぞれに取り組んでいくことで、そして、地域のステークホルダーが挙って中長期に亘る地域でのエネルギー計画を策定しその計画の実現に向かって連携・協力していくことで、「省エネ」と「再生可能エネルギーの地産地消」の実現することにあると考えます。 その観点から、再生可能エネルギーを使った地域エネルギー計画を策定し、地域エネルギーを上手に地域経済に取り組むこと、即ち地域経済循環により地域の活性化を図ることを提唱しています。

地域経済循環とは

地域経済循環とは

地域内経済循環はまず簡単に言うと、一つの地域に『生産・販売』『分配』『支出』という3つの要素があり、この中でお金が回っていくシステムのことです。 『生産・販売』から生まれた所得が『分配』と『支出』を経て、再び生産の場に戻ってくるというものです。
『生産・販売』から生まれたお金は必ずしも域内に留まらず、域外にある本社へ出ていったりすることもあります。『分配』には補助金として域外から入ってくるものもあります。『支出』に関しても同様に、域外からの観光客が落とすお金や、エネルギー代金として域外に出ていくお金もあります。

計画策定に当たって

大別すると、1.計画策定段階、2.実行段階の2フェーズとなります。
計画策定段階では、地域経済のステークホルダー特に行政の参加が必須です。
実行段階となると、地域プラットフォームと運営主体コアメンバーの存在が必要となります。
 
この手順を記述し、その過程で使用できる分析ツールについても紹介すします。
 

計画策定に当たっては、地域経済の特徴を知ることも必要でしょう。

現状お金がどの位地域内でまわっているか、他地域に流出しているかを知る必要があります。
分析するためには、環境省が提供する「地域指標分析ツール」と「地域経済循環分析ツール」が使えます。
 
地域指標分析ツールとは、客観的なデータから地域の姿を想像し他地域と比較しながら地域政策立案に繋げることを目的とします。
客観的指標データは「地域のストック」、「地域の成果」から構成されます。

地域経済循環分析ツールとは、地域での稼ぐ力を分析し、稼いだお金が地域内でどのように分配され、地域内でどの位支出に回るかを具体的に地域のデータを使用して分析します。
分析された結果は下図に示すような形で自動的に生成されます。
 

地域エネルギー計画策定

地域の現状を知った上で、地域でのエネルギー計画の策定を考えます。この段階では基礎データを有する行政の参画が必須となります。
具体的に計画を策定するには次に示す3ステップアプローチで行います。
(ⅰ)現状エネルギー需要把握
「建築物エネルギー消費計算プログラム」*使用による建物用途別エネルギー消費原単位を用い、税務データ、公共建物データを使い、建物用途別に算出する。その際省エネ算定推計に資するまとめとする。
*使用には省エネの専門家が使用することが前提となる。
(ⅱ)省エネによる需要削減
(ⅲ)エネルギー供給計画の策定
エネルギー供給計画策定には、環境省提供「再生可能エネルギー情報提供システム」を用い供給可能再エネ量を推計し、再エネ供給計画を立案する。
 

このツールでその地域にどの再エネの導入ポテンシャルがどの程度あるか数値で知ることができます。
この段階で「地域経済循環分析ツール」の施策による経済効果を計測する機能を使い経済効果推計を行います。同時に他地域からの再エネ導入も検討します。
ここでは、電気、熱の供給計画を立案し、経済効果を推計することとなります。

これ以降は実行主体を決めて計画を実行に移すこととなります。
 

地域指標分析ツール

環境省作成「地域経済循環分析」は、地域の経済を分析する手法でしたが、今回の新たに公開する「地域指標分析」では、地域の環境・経済・社会についてデータをもとに幅広く地域の現状を分析するツールとして開発。

地域指標分析ツールの説明動画は開発委託先である日本政策投資銀行グループ株式会社価値総合研究所の講演資料からご覧ください。
講演資料は上の画像部分をクリックすると自動的に再生されます。
 
 
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