鈴木代表理事
言葉遊びをするつもりはないのですが、コロナからの経済の回復を考える際に結構大切なことかなと思います。 「AFTER(アフター)」と言えば、「何かが終わって一区切りで次へと、前と後が切り離されている」感じ。 「POST(ポスト)」と言えば、「何かがあってその影響の下で次へと、連続している」感じ。 「WITH(ウィズ)」と言えば、まさの言葉通り「一緒に/共にと、現在進行中な」感じ。 心しておくべきことは、一旦大流行が収まったとしても、コロナが撲滅され、この世からいなくなるわけではなく、(ワクチンができればその脅威の程度は減るでしょうが)深く静かに存在し、私たちの健康を脅かし続けるということ。コロナという見えない相手とどう付き合っていくか。だから、これからはWITHコロナ。 そして、コロナが収まってよかった!と全てを忘れて、単純に元通りに戻そうとするのではなく、コロナの蔓延を体験し学んだことを活かす姿勢が大切です。だから、POSTコロナ。 さて、今、世の中に起こっていること、例えば、名だたる名門企業が経営破綻したり、テレワークの普及など働き方に変化が起こったり(いや進化と呼ぶべきか?)、あるいは、最初は無理やりやらざるを得なかった「ステイホーム」を経験してみて、家族との関係のあり方や時間の使い方を再考したり…を観ていると、確かにコロナを契機に起こったことではありますが、もしかしたら、コロナがなくても早晩起こったことかも知れないと思うようになりました。時代の大きな潮流の中で必然的に起こったことなのかも知れないと。そう思うほうが何か前向きになれそうな気がします。つまり、私たちは来たるべき未来を早めに観てしまった。とすれば、もう後に戻ることはできないということになります。大切なことは、その来たるべき未来の中で、自社がどう活躍していくのか? どういう地域の経済や暮らしになっていくのか?そして、自分がどういう暮らし方をしていくのか? さらに言えば、この気候変動という人類共通の課題にどう取り組んでいくのか? についての具体的なイメージを持つことだと思います。 このコロナによって、強烈な痛みを伴って気が付かされたこと、学んだことをPOSTコロナのこれからの仕事に、生き方に活かさない手はありません。悲観ではなく前向きに、分断ではなく連携を旨として。そして、くれぐれも私たちはWITHコロナの世界にいることを忘れずに。 推薦図書 虫とゴリラ 養老孟司・山極寿一著 毎日新聞社 2020年4月 1,500円 コロナの前に開催されたこの対談の中で語られる 「人を人たるものにしているのは何か?」 はPOSTコロナでの生き方へ示唆深いと思いました。 経済と人間の旅 宇沢弘文著 日本経済新聞社 2017年10月 1,000円 コロナでお金が廻らなくなり社会全体が困窮しています。経済とは何か? お金とは何か?という根源的な問いかけの答えを探してみようと、この本を手にしました。
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