地域が元気になる脱温暖化全国大会2016in小田原 大会宣言文
この10年、私たちは、深刻化する地球温暖化問題を従来とは全く違った価値にもとづいて、地域に根ざしたアプローチから解決すべく活動してまいりました。特に、2013年4月以降は、それまでに全国16の地域で展開された取り組みを結びつけ、『地域が元気になる脱温暖化』というコンセプトに基づく取組みをより多くの地域で実装すべく、活動を展開してまいりました。そこで培われた多くの方との出会いや知見・思いを共有する場として地域が元気になる脱温暖化全国大会を昨年、桐生市で開催いたしました。第2回目となる本年は神奈川県小田原市で開催し、のべ750人の参加を得て、盛会裏に終了しました。私たちは、今回の全国大会が、参加者のみならず、地域で活動する多くの人々に明確なビジョンと方向性を与え全国各地でこうした取組みが推進されることを期待します。
東日本大震災以降、地域でエネルギーを創り、地域で使う動きが活発になりました。現在、地域でのエネルギーの地産は全国で800箇所をこえました。しかし、地消や地域の発展への結合はまだまだです。本年の開催地である小田原は経済界が積極的にイニシアティブをとり、地域で作られたエネルギーを地域に住む人々が使う小田原箱根エネルギーコンソーシアム(共同体)を立ち上あげました。小田原箱根地域ではこの動きをさらに大きなサービスを提供する事業に発展させていくことが課題でしょう。
地球温暖化を防ぎ、原発という一度事故を起こせば取り返しのつかないエネルギーに依存することなく、『顔の見える関係』の中で安心安全、持続可能な社会を構築する。そして、すべての人たちが立場を超えてつながり、『お金中心のものさし』から『命とくらし中心のものさし』へと価値を変換させ、『心豊かなくらしのかたち』を追求する。このことが地域を元気にすると同時に脱温暖化も進め、持続的な文明社会を実現する道であると確信し、以下の課題に取り組むことを宣言します。
1、自然・再生可能エネルギーは地域のものとの立場から環境やエネルギーを地域づくりの中軸に据えます。
2、地域でエネルギーの地産地消を経済界がイニシアティブをとり目指す小田原箱根エネルギーコンソーシアム(共同体)のような活動の進展と地域エネルギーに関する協議会が全国に展開されることを望み、それを地域市民・行政が積極的にサポートする仕組みを応援します。
3、自治体の自然・再生可能エネルギー条例、エネルギー計画策定など市民、地域主導の自然・再生可能エネルギー普及支援制度の充実を図ります。
4、地域で自給できるものは自給することを追及します。特に、F(フード)、E(エネルギー)が地域で循環する社会の創造を目指します。また、地域経済がどれだけ循環しているか?地域経済循環が見える指標を作成し測定できるようにします。
5、地域コミュニティがつながり、エネルギーを賢く使っていく観点からEVバス(eCOM-8) のような非化石燃料による省エネ交通システムの導入を目指します。
6、前項の目的を達成する為に、地域のニーズに合わせたEVバスの開発や、再生可能エネルギー開発・利用を進めるための経済界・行政・大学・市民からなる話し合いの場を作ることを提案します。
7、地域の未来を見据え貢献できるような人材育成のためのプラットホームを構築し、暮らし方や価値観の転換を起こすための環境整備を推進します。
平成28年10月22日
地域が元気になる脱温暖化全国大会2016