1. レポート|ソーラーシェアリングで農業を再生:太陽光のエネルギーで地方創生へ(3/11公表)

自然エネルギー財団は本日、「ソーラーシェアリングで農業を再生:太陽光のエネルギーで地方創生へ」を発行しました。

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日本の国土の約12%を占める農地のうち、農作物を栽培していない耕作放棄地が全国で拡大して、すでに1割近くに達しています。農業従事者の高齢化に伴って、今後ますます耕作放棄地が増えていく見通しです。放置されたままの耕作放棄地の増加は、地域の荒廃につながりかねません。国を挙げて抜本的な対策に取り組む必要があります。農地で太陽光発電を実施して農業を再生する手段が「ソーラーシェアリング」です。農地の上部に太陽光パネルを設置して、その下で農作物を栽培します。自然の恵みである太陽光を農業と発電の両方に利用することから、ソーラーシェアリングと呼びます。

実際にソーラーシェアリングで成果を上げる地域が全国で増えています。代表的な事例は千葉県の匝瑳市(そうさし)です。すでに40カ所の農地でソーラーシェアリングを実施しています。このほかにも北海道から沖縄県まで、地域の特性を生かして、さまざまな種類の農作物を栽培する事例が広がってきました。先行して取り組んでいる事業者は、太陽光パネルの下で栽培する農作物の品質向上に取り組み、農作物の販売方法を含めて新しい事業モデルを構築し、地域とも連携を図り、農作物の栽培に適した太陽光発電設備の導入方法に工夫をこらしています。太陽光パネルが夏に直射日光を遮ることによって、農作物の日焼けを防ぐ効果も見られます。

本レポートでは、匝瑳市をはじめ全国各地のプロジェクトを現地で調査して、ソーラーシェアリングによる農業の再生に必要な4つの対策をまとめました。さらに事業者の声をもとに今後の導入拡大に向けた課題を明らかにするとともに、その解決策を提言します。ソーラーシェアリングは太陽光発電で地域の脱炭素化を促進するだけではなく、縮小を続ける日本の農業を再生するうえで重要な役割を果たします。自然エネルギーを活用して地方創生を実現する有効な手段になります。

2. コラム|自然エネルギーが2025年の電力需要増の全てをカバーする:IEA報告書「Electricity 2025」より(3/11掲載)
トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

国際エネルギー機関(IEA)は、報告書「Electricity 2025」の中で、今年の自然エネルギーによる世界の発電量は、1200TWh以上増加する、という注目すべき試算を公表した。これは予想される電力消費量の伸びを上回る規模である。

自然エネルギー以外で、目に見える成長が見込まれているのは原子力発電で、フランスの原子力発電所の復帰と日本の再稼働、そして中国、インド、その他の国々で予定されている新規原子炉の運転開始が成長の要因とみている。比較的小さな増加だが、IEAは2025年の原子力発電電力量は、2006年に記録された最大のレベルに達すると予測している。

化石燃料による発電は、今後は横ばいになるとされている。

電力需要増には地域差がある。先進国では、経済成長とエネルギー効率の向上が同程度になるので、電力消費量はまったく、あるいはほとんど増加しない。需要拡大の大部分(約85%)は、中国、インド、その他の発展途上国が占めると分析している。

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