問題点を4つ指摘します。
1.エネルギー全体像を観ていないこと。
計画のほとんどが電源構成(発電の仕方)の話に終始している。
最終エネルギーで4割以上を占める熱(冷・温)に目が向いていない。
熱の最大限利用を考えれば、この国には未利用のエネルギー源はある。
例えば、太陽熱で湯を湧かすことは可能、木質バイオマスも発電でなく、熱利用であれば採算性のよい安価・小型のボイラーで充分、井水との熱交換で空調は可能などなど。
2.いかに減らすかという発想がない。
AIの普及で電力需要は増えるという不確実な前提に立った議論になっている。
省エネがおざなりであること。「がんばりましょう」と言っているだけで具体的な方法は語られていない。
3.原発の最大の問題はコストと使用済み核燃料
自然災害が激甚化する中での安全性はもちろん問題である。
その対策をするための費用を加えると決して安い発電方法ではない。補助金を投入し続けないと維持できない発電方法で経済合理性もないし、持続可能でもない。
そして、最大の問題は、全く目処が立っていない使用済み核燃料の処分である。現実には破綻している燃料サイクルを解決策として未だに掲げている。
一方、原発を使うか否かに拘わらずいずれ老朽化する原発は廃炉が必要。
そのための技術と人材を確保育成するためには、廃炉をまっとうなビジネス(=静脈産業)として位置づけ国策として進めるための体制と資金を講じるべき。
4.「GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン」に盛り込むべきこと
最先端の技術開発に異論はないが、「今ある技術で実現でき即効果のあること」に着目して、その推進(予算配分も含め)に注力すべき。
さて、では、どうしたらいいか?について、エネ経会議では提言をまとめました。
まだご覧になっていない方はぜひ一読ください。ご覧になった方も再度、国のエネルギー基本計画と併せて再読いただければと思います。
追申:2/25には活動の報告会を小田原にて開催します。参加をお待ちしております。
エネ経会議 提言書 省エネ診断と地域エネルギー計画(最終版)(994.9KB)
PDFファイルをご覧になるには、Adobe® Reader®が必要です