環境や脱炭素に先進的だと思われているカリフォルニア州では「2035年までにガソリン車の新車販売を廃止する」という方針を打ち出しています。販売台数のうちクリーンビークル(電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の比率(2021年末現在)は全米7.5%でカリフォルニア州は38.7%と群を抜いています。(2位はフロリダ6.6% 3位はテキサス5.6%)(参考JETRO)ちなみに日本では0.9%(2021)です。しかし、ロスアンジェルスでは前回訪問した一年半前には非ガソリン車がずいぶん多いと感じましたが、今回はその時と比べてあまり増えた印象がありませんでした。ガソリン車はあまり減っていず、クリーンビークルの中ではEVよりハイブリッドが増えている印象でした。「Drill Baby Drill!(化石燃料をもっと掘れ!)」と叫んでいる人が再選されかねない11月の大統領選挙の趨勢を待って様子見をしている人が多いのかどうか分かりませんが。
 
メキシコのマサトランでは全くといっていいほどEVは見当たらなかったです。マサトランはロスから飛行機で2時間半ほど南に下った人口50万のシナロア州の中心的都市で、港があるので18世紀には貿易で、その後はエビの産地として漁業で栄え、最近は長い海岸線を活かし、高層マンションとホテル
が続々と建ち、リゾート地として人口も増え、経済的には活況を呈していました。脱炭素は二の次という印象でした。
 
SDGsとか脱炭素への関心の程度を探ろうと様々な経営者、会計士、弁護士などビジネスマンに訊いてみましたが、全く関心がない、SDGs自体を知らないという人も結構存在することにびっくりしました。一方、意識高く危機感を持って、例えば、自分の車をEVに切り替えたり、自社で太陽光発電を採用している人も多いとも感じました。

まちに出てみれば、レストランやカフェではベジタリアンやビーガンを謳うメニューは当たり前のようにありますが、一方、某大手のコーヒーチェーン店ではプラスチックのカップやストローを使っていますし、スーパーに行けばプラスチックボトルの水やジュースが大量に並んでいますし、テークアウトの容器もプラスチックが使われています。紙とプラスチックの比較において、環境的、資源的にプラスチックが優れているという判断なのかどうかは調べてみたいと思います。

ということで、今回の印象は日本でもそうかも知れませんが、世界的に見ても、脱炭素への意識と取り組みは、濃淡(というより白黒)のまだら模様であるというのが実態なのではと感じました。

とすれば、気づき行動し始めた人が、さらに行動と発信を強化し、その動きを横に広げていき、まだら模様を全体的なグラデーションにしていく地道な努力しかないと思います。エネ経会議はそのためのプラットフォームになれればと改めて思ったしだいです。