■箱根町仙石原宿泊業省エネ診断事例
 
診断に至る背景
支援対象者は企業の保養所を買取り、リノベーションして宿泊施設として営業を行う予定にしておられます。
買い取られた保養施設は築47年で設備は部分改修されてはいるものの、技術革新なども考慮して費用を押さえつつエネルギー効率の良い設備に変更していくことを考えられて省エネ診断を受けて計画立案することを目論まれて今回の診断となりました。

診断結果から判明した事項

立地場所の高度が海抜1000メートルのところにある関係で、夏の冷房負荷が軽く、冬の暖房負荷が大きいことが特徴です。

設備的には冷房はヒートポンプチラーを使った冷水冷房、暖房ボイラーからの温水による暖房となっています。冷房、暖房のシステム図を掲げておきます。

給湯も給湯ボイラーから浴室カラン、洗面、厨房へと供給するシステムとなっています。湯はりは温泉水の為エネルギーは使用しておりません。

この為エネルギー使用量割合は、電気57%、灯油43%となっていました。

提案内容

1 冷房用チラーを高効率機に交換する。この結果原油換算0.123klの省エネとなり、CO2削減量は0.25t/年となります。
2 暖房用ボイラーを高効率のボイラーに置き換える。この結果原油換算0.101klの省エネとなり、CO2削減量は0.265t/年となります。
3 給湯用灯油ボイラーをヒートポンプ式給湯機に置き換える。この結果原油換算0.581klの省エネとなり、CO2削減量は1.902t/年となります。
4 照明をLED照明に交換する。この結果原油換算1.721klの省エネとなり、CO2削減量は3.528t/年となります。

 

照明器具の交換は簡便で効果も高いことからなるべく早く実施、空調、給湯システムの変更は暫く稼働実績をみて集中方式から個別方式への変更も視野に入れながら実施するのも一法であることを合わせ説明しました。