支援対象者の課題は昨今の電気料金高騰のためコスト低減が大きな経営課題となっている。
また冷凍・冷蔵ショーケースも設備導入後時間が経っているので更新を考える時機にかかっている。
このような課題を解決するために金融機関からの勧めもあり、省エネ診断を行ない効果を見定めて設備計画を考えたいとのことであった。

支援対象者でできる、店舗照明LED化、ショーケースには夜間ナイトカバーが設置されている等の対策も行われていたので、スーパーでは一般的にエネルー消費の40%ほどを占める冷凍・冷蔵ショーケースを重点的に診断した。

冷凍・冷蔵ショーケースの省エネ化
使用されている冷凍・冷蔵ショーケース用冷凍機11台は導入後20年以上経過しているものもあり冷媒はフロンが使用されている。

省エネ効率、フロン規制の観点からも更新計画を立て旧いものから順次設備更新を行うことが喫緊課題であることを説明し、最も古いもの2台について省エネ効果を計算した。

一般的にフロン使用タイプのものを最新型に交換すると年間約27%効率アップするという数字があるが余裕を見て15%アップとして試算を行い、年間での削減は原油換算1.6kl、CO2 3.8t、コスト26.2万円となることを示した。

これとは別にショーケースに使用されている照明90本についてもLED化した場合の効果を試算した結果年間での削減は原油換算1.82kl、CO2 4.4t、コスト30.1万円となった。

ショーケースを更新すれば冷凍機効率アップ分に照明の高効率化も伴うので省エネにより大きなコスト削減になることが認識された。
その他の省エネ策
ショーケースの設備更新は効果も大きいが投資も大きな負担になる。
そこでさして費用をかけずに省エネになる提案を2件行った。

①遮熱フィルムを貼り熱負荷軽減
 西面窓ガラスは遮蔽物が無く夏場の冷房負荷増となっているが、店舗運営では冬季の暖房稼働は少なく年間
 省エネ効果はプラスになる。その年間削減効果シミュレーション結果は原油換算0.17kl、CO2 0.4t 、コ
 スト2.8万円となった。
②多段ショーケース冷気漏れ対策   
 多段ショーケース24台の下部にアクリル板などの冷気
 漏れカバーを付けることにより省エネ改善効果を5%
 見込めるとした。
 年間削減効果は原油換算1.4kl、CO2 3.5t、コスト
 23.9万円

設備更新と簡便な省エネ策を組み合わせ、補助金使用した資金計画も勘案して設備更新を行うことをお勧めした。