全国からいろいろな形で支援の手が差し伸べられていることはありがたいことです。私も些少ですが、商工会議所青年部時代のネットワークを活かして、かまぼこと飲料水を10トントラックに積んで富山の友人に送りました。顔の見える関係の大切さを改めて痛感しています。
さて、表題の言葉は、明治、大正、昭和を生きた物理学者で随筆家であった寺田寅彦が残したとされています。今は前の天災を忘れる前に天災が次から次へと起こる状況です。天災は忘れる前にやってくる時代になってしまいました。しかし、寺田伯の言葉の本質は備えの大切さを説いていることだと思います。そう思うと私たちは未だに天災から学び備えをしっかりとするということはできていないと感じます。
たくさんの課題の中がありますが、エネルギーに関して言えば、一カ所が被災すると全体が動かなくなる中央集権的な大規模なシステムだけに依存し、それと並行して整備すべき、独立・分散型のしくみ、つまり再生可能エネルギーの地産地消が遅れています。
そして、原発です。議論が尽くされないまま、いつの間にか再稼働にまっしぐらですが、これだけ災害の頻発する中でその安全性は担保されていません。予想される災害への防護(それが可能かどうかも疑わしいですが)のための設備投資は膨大です。それは最終的に誰が負担するのでしょう。
まずは、省エネをしっかりやる。そのことで電力使用量を一割程度下げることは可能です。
現在でも電源構成をみれば原発の比率は4.8%(環境エネルギー研究所2022)とか4%(資源エネルギー庁2020)のレベルです。(国は2030年には20~22%まで増やすと言っています)省エネをしっかりやっていけば、少なくとも安全性と経済性に問題のある原発を動かす必要はないはずです。
そして、並行して、顔の見える関係をベースにした再生可能エネルギーの地産地消を各地域で確実に進めていくことが肝要です。
この2つは防災という観点からも、天災の頻発するこの国で天災をしなやかに受け止め持続可能な地域をつくるために必要かつ有効な手立てだと確信します。ぜひ、その動きの輪を広げていきましょう。忘れる暇のないほど頻発する天災に対して、可能な事前の準備は山積みです。