第2回 千葉県テニスクラブ省エネ支援例紹介

検証支援に至る背景

本テニスクラブでは令和3年度、テニスコートの水銀灯照明80基を長寿命な高効率照明に切り替え電力使用量削減を図り、契約電力の切り下げにもつなげたいとの相談を受けました。

令和3年度の省エネ診断では、設備導入に当たって自治体の補助金活用を考えているので、条件をクリアできているか診断して欲しいとの希望もあり、趣旨に沿った診断を行ないました。その結果、全80基の照明を高効率照明に変えると約70%の電力量削減となり、補助金要件もクリア出来ることを報告しました。令和4年度は6月に設備導入した48基の高効率照明設備の電力量削減検証を行い、契約電力切り下げを検討したいとのご希望に基づき支援を実施しました。

大きな省エネ効果が確認されました

実際の設備導入は使用実態も考慮し、使用頻度の高いコートの水銀灯照明48基のみLED照明に補助金を活用して切り替えました。
設備導入を行ったのが6月でしたので、7月と8月の2か月間のデータを使い電力使用量の検証を行いました。
その結果、水銀灯の場合8900kWh に対してLED照明に切り替えた後は4260kWhと半分以下に削減されていることが分かりました。またピーク電力値も103kWから58kWへと大きく下がっていました。
更なるコストダウンも期待できます

今回、設備導入後の電力使用量を診断したことにより、消費電力量が設備導入前と比べて大幅に削減出来ていることが分かりました。電気料金が高騰していることもあり、コスト削減効果は消費電力量を半減出来たことから考えると若干の減少にとどまっていますが、電気料金高騰の影響を軽減できていると言えます。

また電気料金の構成という観点で見ると料金の大部分を基本料金が占めますが、ピーク電力が大きく下がったことが今回の診断で明らかになったため、契約電力を切り下げることで更なるコスト削減効果が期待できます。

但し今回は日照時間の長い夏場の値のみでピーク電力を算出しているため、冬季の消費電力量も検証して最終的に契約電力を決めるとのことでした。
 
このように、水銀灯を高効率のLED照明に切り替えることで大幅に省エネを図ることが可能であり、経営的なメリットも大きいことが検証されました。