1.環境問題として、
気候変動やそれが引き起こす自然災害は自分の商いに直接的な影響を与える自分ごとであり、ESGに積極的に取り組まないと世界のバリュチェーンから排除されるなど、環境と経済は一体化する時代
2.経済問題として、
マクロ経済の実態を観れば、お金がないわけではなく、そのお金が循環していないことが問題。地域から流出するエネルギーコストを減らし、地域で回るお金を増やし、そのスピードを上げていくことが重要。
3.経営問題として、
不安定な国際情勢や円安の影響で暴騰するエネルギーコストが経営を圧迫。エネルギーコストの安定が急務。
そんな主張には多くの方の賛同を得られたように感じました。

最後に原発をどう考えるかという質問をされた方がいました。私は、講演の中で敢えて原発には触れませんでしたが、訊かれた以上は正面からお答えしなくてはと思い、以下のような趣旨の発言をしました。

「持続可能性という物差しで判断し、基本的に問題の多い原発は使うべきではない。

直近の状況を鑑み必要と判断するなら、緊急避難的に暫定的なものとしていつまで使うのかを明確にして欲しい。
以前から繰り返し主張しているように、原発は(特に自然災害が多く、それが激甚化しているこの国で)100%安全に運転できるのか? 依然として解決のめどが立っていない使用済み核燃料はどうするのか? 原発を廃止できないのは電力会社と金融機関の財務的な経営問題ではないのか?原発はこれから使って使わなくても廃炉という大きな宿題を背負っている中、廃炉をまっとうな静脈産業として位置づけ、専門技術の維持、育成も含め、その態勢をどう創るのかなど課題山積です。その中で政治が決断すべきことが多いと思います。政治イコール私たちの行動が、政治をどう動かせるのかよくよく考えなくては。

大切なことは腹をくくるということ。原発を使わないと決めないので、省エネにしても再エネにしてもドライブがかからない。(時期はともかく)止めると決めることですべてはその方向に動く。それは企業経営も同じ。ここにいらっしゃる皆さんは経営の現場で実感されていることでないか。キーワードは持続可能ということだと思います。」こんな話をいたしました。

講演後に多く方々が近寄って声をかけてくださいました。「よく言ってくれました」「なかなか言いにくいことですよね」「自分から敢えて話題にしたり、声を上げることはしませんが、そう思っている人は多いと思います」

中小企業の経営者の方々の本音を引き出していくのもエネ経会議の役割の一つだと確信した岡山での出来事でした。やはりリモートでは実感できないことだと思いました。

コロナが収まりつつある中、積極的にお話をしに全国各地に出向いてまいりたいと思います。お声がけをお待ちしております。来月8月には四国・愛媛・大洲の商工会議所で講演してまいります。