【趣旨】
戦後の高度経済成長下での木材自由化と薪炭から炭素リッチな化石系エネルギーへの転換とともに森林のローカル・コモンズ(地域資源の集団的・共同的な所有と利用および保全維持管理)が衰え、森林資源の荒廃が進み地域経済も衰退してきました。
しかし近年、チップやペレット燃料利用やガス化熱電併給技術によるエネルギーと大型木質建造利用などが広がりつつある時代となりました。それらにより地域の森林資源を活用する脱炭素と地域づくりを目指し、地域金融と地域通貨による川上から川下までの地域循環型システムを促進する新たな社会・経済的取組みが始まっています。その取組には住民と自治体が一体となり、さらに地域外の産官学とも協業、実践が増え、それがニューコモンズ形成への繋がる兆しともなっています。事例として、岩手県紫波町、群馬県上野村、岐阜県高山市、島根県津和野町、愛媛県内子町、高知県梼原町、宮崎県串間市などが挙げられるます。
シンポジゥムでは、「ペレット生産とガス化熱電併給の視察と代表的事例の発表、脱炭素まちづくり、地域経済循環と地域通貨などによる地域循環共生圏でのシナジー効果」の加速化を目指し、「企業、自治体、市民、地域外の大学や企業」が協業するニューコモンズについて報告、討議致します。
なお、本企画は、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)のJST-RISTEX 政策のための科学プログラム「木質バイオマス熱エネルギーと地域通貨の活用による環境循環と社会共生に向けた政策提案」プロジェクトの研究開発の一環で行うものです。

【スケジュール】
第一日目 ペレット生産、バイオマスガス化熱電併給施設視察会
 14:00~14:05   開催挨拶、総合司会:事務局 山崎 慶太
 14:05~14:35 「内子町森林組合と木質燃料材供給」:森林組合      
 14:35~15:05 「内子バイオマスタウン: 内藤鋼業代表取締役 内藤 昌典様
15:05~15:35 「地域と企業の協業によるニューコモンズが進める脱炭素と森林グランドサイクル」:竹中工務店様(検討中)
15:45~17:00  ペレット工場、内子バイオマス発電所、内子龍王発電所視察
説明:内藤鋼業社長 内藤 昌典様
 
第二日目 シンポジウム
 総合司会:早稲田大学 加藤 桜椰風
9:00~9:05 開会挨拶:島根県立大学准教授(RISTEX研究プロジェクト代表) 豊田 知世様
                           
9:05~9:10  来賓挨拶                   
9:10~9:30 来賓挨拶 内子町の紹介: 内子町 小野植 正久町長
9:30~9:35  企画趣旨説明 :事務局 竹林 征雄 
 
第1部 基調講演
9:40~10:10「これからのコモンズとしての大学の役割~内子町と神奈川大学」:神奈川大学理事 名誉教授 日野 昌也様
10:10~10:40「脱炭素と地域循環共生のこれから(仮)」:前環境省事務次官 中井 徳太郎様
10:40~11:10「再エネ利活用による脱炭素社会とまちづくりの展望(仮)」:シン・エナジー株式会社代表取締役 乾 正博様
11:10~12:00「森林活用した脱炭素地域社会形成(仮)」:(株)日本総合研究所 主席研究員 藻谷 浩介様
 
第2部 地域事例報告 座長(調整中)

  1. ~13:20「バイオマス熱電併給施設が内子町にある意味:地域通貨と新しい電力構想」:内藤鋼業代表取締役 内藤 昌典様
  2. ~13:40「島根県津和野市における川上から川下までの森林ニューコモンズの形成(仮)」:元津和野町林業課、現フォレストエナジー 久保 睦夫様
13:40~14:00 「宮崎県串間市の市民病院を中心とした森林資源を活用したまちづくり(仮)」 :宮崎県串間市役所 ご担当者様
14:00~14:20  ディスカッション・質疑応答
 
第3部 テーマ別報告報告 座長
  1. ~14:40 ニューコモンズと地域通貨 ~木の橋、水車、内子座+木質バイオマス発電:竹中工務店 山崎 慶太様
  2. ~15:00「森づくり、まちづくりと地域通貨(仮)」:株式会社サイテックアイ 代表取締役 大澤                 

15:00~15:10 ディスカッション・質疑応答
 
第4部 パネルディスカッション
15:10~16:20 パネルディスカッション
地域森林資源活用による脱炭素地域おこしとコモンズ 藻谷浩介様+5名の報告者
司会 豊田知世様(パネルディスカッション終了後、引き続き閉会挨拶)