石見の海 3女と次男

私は東京生まれの東京育ちですが、大学卒業後、北海道室蘭市で一年を過ごし、その後、米国LAの6年間の駐在生活を含み、世界25ヶ国に出張し、浜田にIターン後、商工会議所青年部のお陰で、国内の全ての都道府県を訪問する事が出来ました。その結果、22才まで当たり前だと思っていた山が見えない東京の生活が普通では無い事に気付きました。また、大規模・集中・グローバルで突き進んできた日本の政策が一時的には世界No.2の経済大国にはなりましたが、同時に石見の様な地方の流通、産業、商工業を疲弊させ、優秀な人材を吸い上げられ、結果として現在、日本全体の幸福度はあまり高くないと言う状況です。
 

長女、次女と高津川風車

以前は人口が少なくても自然豊かな田舎でのんびり風車を回して綺麗な海を眺めながら暮らせば良いと考えていましたが、やはり、ある程度の人口が無ければ町は存続いたしません。また、昔は東京でラッシュアワーの通勤電車にもみくちゃにされながら出勤し、夜は遅くまで残業して最終で帰宅し、子供の顔も見られない生活をしていた自分を思い出すと、現在の私の生活を希望される都会の方々にも是非、田舎への転出を考えていただきたいと思います。(因みに、私は3女、2男に恵まれ、長女、次女は東京の大学を卒業後、浜田に戻り、私の会社で一緒に開発事業を進めています)
 

金城メガソーラー

その様な事を考えながら、私はエネルギーを手段とした地域経済の活性化、エネルギー・資金の地域循環を目指しています。田舎を出ていく主な理由は雇用の場の減少、所得の低下です。それらが向上し、人口も増加すれば、その他の町の不便(サービス・交通・流通などの不便)は後から改善されて来ます。従い、どんな小さな田舎でもかなりの金額を域外に支払ってサービスを受けているエネルギー、特に電力を自ら発電し、域内に売電する地産地消を行う事にいたしました。現在、外に流出している電力料金を1%でも自給自足出来れば、数十億円のお金が地域に還流いたします。また、このエネルギー・ビジネスは世界で、日本で大きな潮流となっているカーボン・フリーの流れに沿うものであり、その原料も風、光、水、木と様々であり、皆さんの町にも必ず存在するものです。政府の制度の後押しもあり、皆さんの得意とする行政を始めとした地域の方々の応援・協力があれば、田舎でも色々な形で実現可能な事業です。
 

江津西ウィンドファーム 

是非、皆さんも地域の方々と共に、ローカル・エネルギー・ビジネスに参入し、穴の開いたバケツから流れ出ていた資金を取り戻し、地球温暖化ガス排出抑制を行いながら、強い田舎を津々浦々で実現し、結果としてしなやかで強い日本を作りだそうではありませんか。
 

技術社員と高津川風車

現在、私は数千億円規模の洋上風力も地元発で進めています。この事業は形骸化しつつある港湾の開発、後継者不足・資源不足の漁業の振興、そして持続的な町の発展にもつながると期待しています。更に、地元のケーブルテレビ会社と共に、ローカルで情報・通信・送電事業を担う事によって、災害時の電源・通信手段の確保、高齢者の見守り、地域内交流・交通の強化を図ろうと考えています。
 
大風呂敷を広げましたが、小さな事でも一歩を踏み出さなければ始まりません。是非、このエネ経会議で一緒に素敵な未来を実現しましょう。