気候変動は他人事?
まずは、西日本を中心とした大雨で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
どこで何が起こるか分かりません。今一度、自分の周りの防災への取り組みを見直す必要があると改めて思っております。
そんな昨今、私自身、気候変動に関わる機会が多くなってきました。今年の一月号、二月号では、外務省の気候変動に関する有識者会合のことをご報告しました。パリ協定http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol150/index.html(2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための196か国による新たな国際枠組み。2015年12月採択、2016年11月発効)で約束した目標に対して、それぞれの国がどう取り組むのかが問われ注目されている国際社会の中で今、日本がどういう行動をとるのかはまさに日本の国益に関わる重大事であるという問題意識から観ると、日本は世界の潮流から大きく取り残されていると言わざるを得ない。というのが、日々、国際社会との最前線で仕事をしている河野大臣率いる外務省の持っている危機意識です。気候変動に大きな影響を与えるエネルギー政策について、経済産業省とも環境省とも異なる観点での、外務省ならではの意見を出したいという河野大臣の強い意向で招集された会合です。
○会合の趣旨やメンバーについて
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_005491.html
具体的には、2月にまず、エネルギーに関する提言を河野大臣に手渡しました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000335203.pdf
エネルギーに関しては再生可能エネルギーを中心に据え、日本が世界をリードしていくことが世界に貢献しつつわが国の国益に適うものと主張しています。その中で地域と中小企業の役割の大きさも述べています。
続いて、4月には気候変動全般に関する提言をしました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000356248.pdf
1月初めから、ほぼ毎週外務省に集まり、毎回2〜3時間の真剣かつ熱い議論を積み重ねてきました。ありがちな事務局主導、つまり、官僚が作った案を追認するという形ではなく、全く何もないところから議論を始め、委員の皆さんと創り上げてきたものです。手前味噌ですが、委員のそれぞれの専門からの知見が活かされた内容だと自信を持って出せるものになったと思います。世界の潮流から取り残され、このままでは国際社会から声がかからなくなるという危機感をベースに、データと事実に裏打ちされた、経産省とも環境省とも一味違う外務省ならではの意見をと、強く意識してまとめました。
まずは、 私は、地域の暮らしを下支えする中小企業の立場で、
1.経済活性化策として「再生可能エネルギーの地産地消」の優位性
2.中小企業での省エネの推進の重要性
3.電力だけに偏りがちなエネルギーの議論での熱の重要性
を繰り返し、お話ししてきました。
世界に向けて「こうあるべき!」「こうしましょう!」と言うなら、まず、自分の国で実践していなければ、その声は説得力を持たないと思います。そして、今回強く感じたことは、エネルギーに関して、いや、エネルギーに限らず、いろいろな理由で議論を避ける傾向にある世の中のムードが、逃げずに、知らぬふりせず、自由にモノを言っていいんだという方向に変わる兆しです。この提言が自由な議論の幕開けになれば、嬉しい限りです。
そして先月6月号では、この有識者会合からのスピンオフともいえる「気候変動イニシアティブ」という新たな仕掛けへの参画のお誘いをさせていただきました。
当初の使命を終えた委員の8名の間で、今回の活動を一過性にしてはもったいないので、国に任せるばかりでなく、継続的かつ広がりのある活動につなげていきたいとの議論が盛り上がり、わがエネ経会議も発起人となり、このたび、「気候変動イニシアティブ」http://japanclimate.org/という非政府関係団体(企業、NPO、NGO、行政など)によるゆるやかなつながりの運動体を立ち上げました。
既に小田原市、箱根町をはじめ、県、市、町の地方公共団体、地元では湘南電力はじめ規模の大小を問わず100を超える団体・企業が名乗りを上げくれ、去る7月6日に設立の記者発表を行いました。引き続き、会員を募っていきます。
私たち地域の中小企業・小規模事業者にとって、エネ経会議の5月の会員大会でも取り上げたSGDs(国連で2015年にわが国も含む世界193か国が賛同して採択した17項目からなる「持続可能な開発目標」)や気候変動などの動きは、他人事に思えてしまいます。「あれは理想論。はたまた、あれはグローバル企業の話でしょ?」と。それでなくとも日々の商いの現場では、働き手の確保や資金繰りなど目の前の手当しなくてはならない課題が山積みですから。しかし、よく考えると、一見、理想論やグローバル企業の問題と思いがちなことが、私たちの商いに確実に影響を及ぼし、密接に関係していることに気が付きます。対応しないとマイナスに影響を受けるからという受け身だけでなく、実は新しいビジネスにつながるチャンスにもなりえるのだと思います。少なくとも、世界の潮流を知り、それをどうしたら自社、自店のチャンスにつなげることができるか考えることは、決して無駄でも荒唐無稽なことでもないと思います。地球の裏側で起こっていることが確実に私たちの日々の商いに影響を与えていることを実感する日々ですから。
ぜひ、ご興味を持っていただき、ご自身の商売につなげていただけたらと思います。「ピンチはチャンス」といいますから。
ぜひ、より多くの会員の皆さんに参画していただきたいと思います。参加申込書(jci_registration.docx)にご記入の上、エネ経会議事務局までメールで送ってください。
◆ 鈴木代表理事 行動予定
7月19日(木) | 18時30分〜 | 省エネルギー相談活用セミナー(会議所) |
7月25日(水) | 13時〜 | かながわスマートエネルギー計画検討会(波止場会館) |
7月26日(木) | 13時〜 | 北村様ご来社(鈴廣) |
7月28日(土) | 10時〜 | 日本に健全な森を作り出す10周年記念シンポジウム(毎日新聞社毎日ホール) |
19時〜 | エナリス渡部様面会(四ツ屋三丁目KOUME) | |
7月29日(日) | 14時〜 | ローカルファウンド研究会(西条市) |
7月30日(月) | 16時〜 | 木質バイオマスのプレゼン(鈴廣) |
8月1日(水) | 9時〜 | エネ経事務局会議(鈴廣) |
10時〜 | 事業構想大学院 和田様来社(鈴廣) | |
15時〜 | 阿部知子様視察(鈴廣) | |
8月2日(木) | 15時〜 | いのちの環 取材(鈴廣) |
8月3日(金) | 13時〜 | 星槎免許更新講習(UMECO) |
8月7日(火) | 10時50分〜 | 株式会社リコー視察(鈴廣) |
8月9日(木) | 12時〜 | パルシステムゆめコープ様視察(鈴廣) |
8月10日(金) | 12時〜 | WWFジャパン三沢様ご来社(鈴廣) |
14時〜 | 厚木市環境市民学習講座 視察と講演(鈴廣) | |
8月20日(月) | 10時〜 | エネ経事務局会議(鈴廣) |
12時〜 | 真鍋様 取材(鈴廣) | |
8月26日(日) | 14時〜 | 「おだやかな革命」あしがら西湘リレー上映会(小田原箱根商工会議所) |
8月29日(水) | 13時〜 | エネ経なんでも相談所小田原視察(鈴廣) |
8月30日(木) | 午後 | 環境エネルギー投資 河村様ご来社(鈴廣) |
9月1日(土) | 15時〜 | なくそう原発清瀬の会講演(清瀬市生涯学習センター) |
9月2日(日) | 午後 | 鎌仲様上映会・エネルギートークセッション |
9月10日(月) | 16時〜 | ローカルファイナンス研究会 |
9月11日(火) | 18時〜 | Residence Executive Briefing(ドイツ大使館大使公邸サロン) |
9月12日(水) | 18時30分〜 | 彦根YEG9月オープン例会(彦根商工会議所4階大ホール) |
9月13日(木) | 大阪地域ACTホールに関係する経営者を巻き込んだ勉強会 | |
9月29日(土) | エネ経東北(山形)勉強会(山形庄内) | |
10月12日(金) | 気候変動サミット(虎ノ門ヒルズメインホール) | |
10月27日(土) | ローカルサミットin小田原 | |
〜28日(日) | ||
11月9日(金) | 9時30分〜 | 川崎クールアース視察(鈴廣) |
11月14日(水) | 13時〜 | 太陽光発電シンポジウム(浅草ヒューリックホール) |