SDGsをご存知ですか? 私もつい最近知ったのですが」


 劇的な最新技術の進化に伴ってIOT,AI、ブロックチェーン、オープンリソースなどなど次から次への出てくる横文字に辟易しそうになりながらも、何とかついていかなくてとはと、冷汗しきりのこの頃です。
 そんな中、多分、これから目にすることが急速に増えるだろうと思うのが「SDGs」という言葉です。「Sustainable Development Goals1(サステナブル・デベロップメント・ゴールズ)」の頭文字で「持続可能な開発目標」と訳されています。国連で2015年9月、193の加盟国の全会一致によって「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)」が採択されました。その中に、「誰一人取り残さない-No one will be left behind」を理念として、国際社会が2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な社会を実現するための重要な指針を17の目標(ゴール)として設定されたのSDGsです。2001年に策定されたミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)で残された課題に加えて、さらにこの15年間に顕在化した課題の解決を、貧しい国、中所得国、豊かな国のあらゆる国々で取り組もうという宣言です。政府や行政だけでなく、民間企業や市民社会もとも連携することの大切さを説いています。その17の目標は以下のとおりです。
1.貧困の撲滅
2. 飢餓撲滅、食料安全保障
3. 健康・福祉
4. 万人への質の高い教育、生涯学習
5. ジェンダー平等
6. 水・衛生の利用可能性
7. エネルギーへのアクセス
8. 包摂的で持続可能な経済成長、雇用
9. 強靭なインフラ、工業化・イノベーション
10. 国内と国家間の不平等の是正
11. 持続可能な都市
12. 持続可能な消費と生産
13. 気候変動への対処
14. 海洋と海洋資源の保全・持続可能な利用
15. 陸域生態系、森林管理、砂漠化への対処、生物多様性
16. 平和で包摂的な社会の促進
17. 実施手段の強化と持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップの活性化
国連広報センターのHPをご参照ください。
http://www.unic.or.jp/news_press/info/24453/
 これだけを見ていると、「また理想を語っているね。そうは言っても現実はね。」という言葉が聞こえてきそうですし、私も最初はそう思っていました。採択から2年以上経っているのに、メディアもあまり採り上げないし…と。
 しかし、今回はちょっと今までとは違うかなと思い始めています。今までは、例えば、「環境と経済」、あるいは、「福祉と経済」とは相矛盾するもので両立させることは難しいというが通念だったように思います。が、これだけ、異常気象や自然災害が発生し、気候変動を実感するようになり、世界中で難民問題やテロが頻発し、国家間の緊張や分断が広がりというような地球規模の人類共通の問題が、かってなかったくらいに顕在化している中で経済の新しい動きの兆しが見えてきたように思います。ひとつだけ例を挙げると、「年金積立金管理運用独立法人(GPIF)」という組織があります。私たちが掛けている厚生年金と国民年金を運用する会社で、145兆円という莫大な資金を扱っています。そこが、投資先として日本株の3つのESG指数を重視し、その基準で選んだ企業への投資、つまりESG投資が1兆年始めたとことです。ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。投資するために企業の価値を測る材料として、これまではキャッシュフローや利益率などの定量的な財務情報、いわばもうかっているかどうかが、主に使われてきました。それに加え、売上や利益だけでなく、ESG要素を考慮し、当初は国内株全体の3%程度、約1兆円の運用を開始したというのです。そのESGはSDGsのうち企業が直接的に貢献できる領域と言えます。その意味では、SDGsは単なる理想論でなく、極めて現実的な、企業経営にとっての重大事と言えます。つまり、SDGsを意識した経営をしないとお金が集まらないということが起こり得るということです。それは大企業のことと思いがちですが、あながちそうでもないことは、以下のGPIF理事長の高橋則広氏のコメントからも想像できます。「今回選定したESG指数の活用が日本企業のESG評価が高まるインセンティブとなり、長期的な企業価値の向上につながるよう期待している。また、ESGを重視する海外投資家の注目が高まれば「日本株の投資収益が改善する可能性も高まる。こうした好循環の恩恵を大きく享受できるのが広範なポートフォリオを持つ大規模な投資家であるGPIFであり、年金の被保険者だ。」
 中小企業の経営者としては、日々の目の前の問題に四苦八苦しながらも、SDGsのような一見理想論のようなことにも心を配らなくてはならない世の中は大変な世の中です。苦労の堪えない中小企業の経営という仕事です。が、「大変」とは「大きく変われる」チャンスかもと、ちょっとワクワクもしています。
 「持続可能なエネルギーとは?」を問い、その実現に向けての実践のネットワークであるわがエネ経会議の役割はまずます大きいと感じています。
 


 

◆ 鈴木代表理事 行動予定

 2018年    
1月13日(土)  13時30分〜  「日本と再生」上映会&フォーラム(神奈川県 秦野商工会議所)
1月16日(火)  18時〜  日本生活協同組合連合会賀詞交歓会(東京 ニューオータニ)
2月3日(土)  午後  持続可能経済協会 総括(京都)
2月4日(日)  14時〜  環人8プラム講演(滋賀県 彦根)
2月7日(水)  14時〜  森町商工会議所様視察(鈴廣)
2月8日(木)    Hamee齋藤様視察(鈴廣)
2月18日(日)    エネ経氷見勉強会(富山県)
2月21日(水)  午後  持続可能経済協会シンポジウム(東京大学)
2月25日(土)  13時〜  松田町エネルギー革命(神奈川県 町民文化センター)
2月27日(火)  14時〜  東北地方勉強会(仙台 阿部かまぼこ)
5月26日(土)    エネ経総会(東京 紙パルプ会館)
     
7月14日(土)    ソーラーシェアリングサミット(神奈川県 梅の里センター)
〜15日(日)    
     
9月2日(日)  午後  鎌仲様上映会・エネルギートークセッション
     
日時未定    神奈川県地球温暖化防止活動推進委員様 視察