1.ドイツ脱原発倫理委員会報告
社会共同によるエネルギーシフトの道すじ
安全なエネルギー供給に関する倫理委員会 著
吉田文和、ミランダ・シュラーズ 編訳
大月書店 1,800円(本体) 2013年7月
国民の多くが原発に頼らないエネルギーシステムを望んでいるのに、国の政策はその反対に進もうとしている現実は一体どうして起こってしまうのか?ドイツの例からの示唆は考えさせられます。訳者のベルリン自由大学教授、環境政策研究所所長であるシュラーズ先生はあるシンポジウムで一緒に登壇したことがあるのですが、ドイツの脱原発を決めた、行政、政治家、技術者、経営者、哲学者、宗教家、経済学者、社会学者などから成る「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」の実際の委員でもありました。
2.脱原発を決めたドイツの挑戦
再生可能エネルギー大国への道
熊谷 徹 著
角川SSC新書 820円(本体) 2012年7月
1990年からドイツに住むNHK出身のジャーナリストである著者が、2011以前から取材、研究していた脱原発だけでないドイツのエネルギーに関する取り組みの現地レポートです。
天然資源が乏しいこと、ものづくりと工業が主力産業であること、輸出産業が大きいこと、労働コストが高いことなど共通点が多いドイツと日本でそのエネルギー政策が大きく変わったのはなぜか?
3.原発はやっぱり割に合わない
大島堅一 著
東洋経済新報社 1,600円(本体) 2013年1月
原発のデパートと言われる福井(福井には原発が15基あります!)で生まれ育ち、現在、立命館大学の教授である著者は、一橋大の学生だった頃から20年来、原発をどう評価できるのかをその「経済性」という視点で研究してきました。
原発をお金という観点で徹底分析している本著は、原発というシステムの問題点を合理的に解き明かしてくれます。