オリンピックが終わりました。(パラリンピックがどうなるのかはこの原稿を書いている時点でははっきりしませんが)。この状況下での開催がコロナ蔓延に与える影響を懸念していましたが、まさに現実のものになってしまいました。スポーツ大好きな私としてはオリンピックそのもののあり方や価値、意義についての議論は一旦置いておくとします。しかしながら、意識するかしないかは別として「だってオリンピックもやっているから」と、自らの判断と行動に影響を受けたケースが多く、結果として蔓延を助長してしまったことは自明です。また、本来、あらゆる資源(人、モノ、金、時間など)をコロナ対策に集中投下すべき時に世界的なイベントを開催することで、その対策が手薄になってしまったことも事実でしょう。
地域の暮らしの血流である地域経済を下支えする、地域の中小企業の経営に携わる者として、今、この国を挙げてやるべきことは、普通の当たり前の暮らしを取り戻すことだと強く思います。経済の大前提は普通の当たり前の暮らしだからです。
ここで国の施策にモノを申しても詮無きことかも知れません。ただ、この状況から経営者として学び、自らの行動に活かせることはあると思います。与えられた環境下において、自社の経営資源をどう最適配分するかがとても重要だという経営のイロハもそのひとつでしょう。経営者としてやりたいことを諦める勇気も必要な時があります。優先順位の付け方を誤ると、社員を不幸にすることもありえるということです。
さて、ワクチン接種が11月頃までには一回りし、少し明るい気分で正月を迎え、来春くらいから徐々に人々の行動の自由度を増す。これが今考えられるベストのシナリオかもしれません。その間、いかに生き残るか今一度「守り」を固め、「攻め」の準備をし、できることから実行することに集中しようと思っています。
コロナは朝起きたらいなくなっていたということはないでしょう。感染の波の上下を繰り返しながら徐々に収束に向かっていくのでしょう。WITH/POSTコロナと呼ぶべきと申し上げている所以です。
コロナは現在進行形の禍ではありますが、そこから気がついたこと、学んだこともあるように思います。それらをWITH/POSTコロナの時代にどう活かしていくかというしたたかさを持ちたいと思います。地域でお金を廻すことの大切さもそのひとつでしょう。全国どこでも豪雨で大変な目にあっています。気候変動・脱炭素も待ったなしです。「環境と経済の好循環」には、1.気候変動対策と脱炭素 2.地域での経済循環の促進という2つの課題のソリューションとして「賢いエネルギーの使い方=省エネ」と「地域での再生可能エネルギーの地産地消」の2つの視点が有効です。
改めて、WITH/POSTコロナ時代にも、いや、この時代にこそ、エネ経会議の役割は大きいと思います。