ゼロエネルギービルで考えたこと
 
(私事で恐縮なのですが)私の会社で新しい社屋を建て本社機能を引越してから一か月ほどが経ちました。改めて、エネルギー=電力ではないことを実感しています。
 
 
 省エネと再生可能エネルギーの利活用について、ここ数年、社内でいろいろと試してきました。例えば、太陽光発電やLED照明だけでなく、レストランでの地中熱と地下水の空調、団体食堂の厨房での太陽熱の給湯、あるいは、夏季には店舗の屋根に散水したり、気化熱を利用して空調の屋外機の周りのミストを吹いて機器の周りの気温を下げたりなど、
いろいろやってきました。今回はこれまでのところで得た知見を活かそうと様々なものを組み合わせてみました。壁を厚くし、窓ガラスは二重にすることでの建物本体の断熱、太陽光を使った照明、地下水を使った空調と給湯、非常時の自家消費とピークカットに役立つ太陽光発電、などによってエネルギー削減率54%(通常の同程度の仕様の建物比)を達成しました。経済産業省のネットゼロエネルギービルに認定をされ、省エネのためにかかった追加投資の最大2/3までの補助金をいただくことができました。(エネ経会議の「エネルギー何でも相談所」の皆さんの適格なコンサルのおかげです。)
 
 そんな環境に身を置いてみると、気がつくことがたくさんあります。例えば、永年かまぼこづくりに使わせていただいてきた小田原の地下水。「井戸水はエネルギーだった!」ことに気づきました。あるいは、建物を建てる時、壁を立て屋根を貼り室内を暗くして電気の照明を付けるために外で原発を廻して、あるいは中東から油を買って電気を作る。外は明るいのに…。なんとも不思議なことをしてきたもんだと。(もちろん、夜や雨では太陽光が使えないので、その対策は必要ですが。)
 気分やムードではなく、数字を踏まえて現実を観ることの大切さにも。3.11以降、化石燃料の輸入は増えていないのです。電気料金が上がっているのは原発が止まったからではなく、この円安のせいなのです。(ですから、原発を動かしてても電気料金は下がりません。九州の皆さん、電気料金は下がりましたか?)
 化石燃料の使用を減らし、中東の国々へ貢いでいる年間10兆円に近いお金をそれぞれの地域で循環させたら、どれだけ地域の経済のプラスになるか想像すると楽しくなります。
 
 そのために、今使っている電気を減らせないかやってみませんか? そして、電気だけに囚われない発想で身近かにあるエネルギー源を探してみませんか?
 まずは、自分の会社で地域で何ができるか考えましょう。「エネルギー何でも相談所」のテクニカルアドバイザーが手ぐすねひいて待っています。ぜひ、事務局へご一報を。
 
追申:
 箱根の火山の様子の視察も兼ねて、小田原へいらっしゃいませんか? 秋の行楽のトップシーズンを前にまだまだお客様が少なく、地元の経済が苦しい状況の中、商工会議所の会頭としても悪戦苦闘しています。11月には「市民・地域共同発電所全国フォーラム」(後述)も小田原で開催されます。ご希望があれば、上記の施設もご案内します。お気軽にご相談ください。
 
 
代表理事行動予定
 
◆ 10月24日(土)-25(日) 宮津アースガーデン
 
◆ 10月26日(月) 茨城自然エネルギーネットワーク様 視察来社
 
◆ 10月31日(土) 藻谷浩介様 講演(豊田)
 
◆ 11月2日(月) エネルギー企業家「エネルギー事業で地域経済を元気にする」にて講演(立命館大学 大阪・いばらきキャンパス)
 
◆ 11月3日(火) 日独シンポジウムに登壇(京都国際会館)
 
◆ 11月11日(水) 小泉純一郎氏講演会(静岡)
 
◆ 11月14日(土) 市民地球共同発電所全国フォーラムにて基調講演