地方創生と言うなら
今、国は大胆な財政出動をしています。人口減、特に生産人口減、高齢化(ある一定以上には高齢者数は増えませんが、人口に対する高齢者の比率はどんどん高まります)という今まで誰も経験したことがない社会構造の激変に向かっての真摯なる危機感か、はたまた、「景気がいいのは大都市と大企業ばかり…」という批判への対策か、ここへきて、地方創生のかけ声の下、国の地方向けの大胆な財政出動が目立ちます。
私が会頭職を務める小田原箱根商工会議所でも、昨年末に内閣府が出した総額1000億の加速化交付金(補助率10分の10)に対して、地元の小田原市と協力して会議所でプランを作り応募したところ、約2,500万円ほど使わせていただけることになりました。創業支援、遊休不動産の活用、観光振興、ファンドという4つの要素を組み合わせたビジネスプランです。(ここでは詳細説明のための紙面がないので、ご興味があればお問い合わせください。)
交付金を使う全国の事例を観てみると「観光」の文字のオンパレードです。従来型の輸出産業も国内需要も大きな伸びを期待できない中、目前の2020年の東京オリンピックとパラリンピックをチャンスと捉えて、「さあ、これからは観光だ!」ということになるのでしょう。確かに海外の国々と比べて、わが国への外国人観光客の数が少ないことは事実ですので、観光をこの国の基幹産業に据え直すことは必須でありましょう。
しかし、今のこの国の産業政策、特に地方の中小企業について、決定的に足りないことがあると思います。それはエネルギーです。温暖化も含めた環境問題へのソリューションとして、電力だけでなく熱の有効利用も含めた小規模・分散型・独立型の再生可能エネルギーの地産地消システムを地域で構築すること、そして、賢くエネルギーを使うこと=省エネ、このふたつを促進することが重要です。
海外に支払っているエネルギーコストは年間28兆円と言われています。もちろん、自由貿易の時代ですから国を超えてのモノの売り買いは必然です。しかし、そのうちの1割でも2割でも地域で回すことができれば、それこそ最大の地方創生の原資として使えるのではないでしょうか?
地方創生と言うなら、地域の中小企業がエネルギーを新たなビジネスチャンスと捉え、そこへどんどんチャレンジできるような政策が必要不可欠です。地方創生と言うなら、まともなエネルギー政策を打ち出してもらいたいものです。
エネ経会議は、中小企業がそれぞれの現場で実践するエネルギーへの取り組みを応援します。どんなことでも結構ですので、気軽に弊社の「エネルギー何でも相談所」にお声がけください。
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