1.銀座ミツバチ物語 PART2 -北へ南へ。西へ東へ。地域おこしの輪が広がる-
田中淳夫著 時事通信社 1,600円(税別)2015年6月
銀座でミツバチを飛ばしているというちょっと変わった人に会ったのは今から7年前
、北海道・帯広で開催された第一回の「ローカルサミットhttp://localsummit.jp/」と
いう私が関わっている勉強会「場所文化フォーラム」主催のイベントの場でした。
(私は、その後、小田原で開催された第三回のローカルサミット
http://localsummit.jp/report/r2010では実行委員長を務めさせていただきました。)
そのちょっと変わった人、この本の著者の田中淳夫さんとはそれからずっとおつきあ
いをさせていただいております。エネ経会議を立ち上げる時にもいろいろとアドバイ
スを頂戴しました。
このたび、Part2が刊行されたということは10年に亘る彼の活動が地道に継続されて
いることの何よりの証左です。夢を語ることが憚られ、あるい語っても、言うだけで
何もしないことが当たり前になっている世の中では彼のような人は貴重です。
まずは、読んでみてください。「なぜ、今ミツバチなのか?」は私の拙い解説よりずっ
とよくお分かりいただけると思いますので。
2.自分が変わった方がお得という考え方 -日本新時代のキーワード-
三橋規宏、谷口正次、松下和夫、関正雄 編著
中央公論新社 1,600円(税別) 2015年7月
経済人による環境NGO、環境を考える経済人の会21(B-LIFE21)という団体
の15年に亘る活動と議論を、特に2013年〜14年で都合10回開催した勉強会での成
果を中心にまとめたもの。私も14年11月に講師としてお話をする機会を頂戴しまし
た。
エネルギーの関しての第3章では、熊本県水俣や長野県飯田の事例で「地域の経済循
環」という視点からの分析が大変興味深いです。わがエネ経会議でもこのテーマの研
究に取り組んでいますので参考になります。
3.地域に希望あり -まち・人・仕事を創る-
大江正章著 岩波新書 800円(税別) 2015年5月
わが盟友 佐藤彌右衛門さんの会津電力をはじめとする全国各地でのさまざまな住民
主体の地域づくり活動を丁寧に取材。その中には「消滅可能性町村」としてリストア
ップされた町村もあるが、いずれも人口は増え活気があるという指摘は興味深い。
都市と二次・三次産業に偏重した経済成長モデルから、農山村と一次産業を重視した
内発的発展路線への転換を主張する。真の豊かさは新しい「ものさし」でなければ図
れないと改めて思います。
4.文部省著作教科書 民主主義
文部省 著 径書房 2,000円(税別) 1995年8月
この本の原本は1948年に上巻、1949年に下巻が刊行され、その後1953年まで中学生
と高校生の社会科の教科書として使用されたことを私は知りませんでした。
今の閣僚、国会議員全員が読むべき珠玉の一冊だと思います。「多数決」とは
民主主義の常套手段ではなく、やむを得ない状況で使うラストリゾート=最後の手段
だと理解していない政治家ばかりです。