新しい年度への所信をしたためてみました

 

長文ですが、お付き合いください。なお、具体的な今年度の活動については、来る5月26日(土)の会員大会でお伝えいたします。会員大会へぜひお越しください。(会員大会の詳細はこのメルマガの後半をご覧ください。基調講演は、今回の外務省の気候変動に関する有識者会合でご一緒させていただいた当会合の座長を務められた国連環境計画 金融イニシアティブ(UNEP-FI)特別顧問でもある末吉竹二郎さんにお願いしております。)

 「景況を表す指標は景気の好循環を示し始めています。が、しかし、数字に一喜一憂するのではなく、今、取り組むべきは、経済の、それも、私たちの暮らしの場である地域の経済の根っこをしっかりさせることだと思います。単純な規模の拡大が見込まない中での経済活性化策は何か?それは地域の経済循環、平たく言えば、地域で廻るお金を増やすことだと思うのです。そのためには「エネルギー」は大きな要素です。「省エネ」と「エネルギーの地産地消」、今年度もこの二つのテーマを基軸として活動してまいります。
 この国のほとんどの地域はエネルギーを域外から買っています。一所懸命働いて稼いだお金で外からエネルギーを買っています。地域と域外との関係は、国内と海外の関係の相似形です。地域が域外に支払っているエネルギーコストを合計すると海外に支払っている輸入金額となり、その総和は毎年28兆円に上ります。その内の1割でも2割でも国内で賄うことができたら、それだけ国内で廻るお金、つまり、国内で使えるお金が増えます。そのお金は今、地域が持つ様々な課題の解決、例えば、医療、介護、子育て、教育などの生活向上、観光、雇用などの経済振興のために使える原資になります。
 まずは、エネルギーをムダな使い方を止める=省エネ。並行して、(電気だけでない熱も含めた)身の周りにあるエネルギー源を使う=地産地消。そこに私たち地域の中小企業のビジネスチャンスも生まれます。
 地域経済の活性化の処方箋の一番上にエネルギー(省エネと地産地消)を掲げるべきだと考えます。輸出が振るわぬ中、国内の人口が減っていく中、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、全国的に観光で経済を活性化させようという掛け声が国を挙げて、全国各地から聞こえてきます。ただ、観光というのは最終的には地域間競争を引き起こします。定住人口を増やそうと政策も全体の人口が減る中ではさらに激烈な地域間競争になります。が、一方、エネルギー(の地産地消)は地域間競争になりません。そもそも使っているもののうちの一部を自分で賄うということですから。となりのまちはとなりのまちで同じことをやればいいので、競争になりません。商売で一番大変なのは需要を創ること。その需要はすでにあるのです。その需要を自分地域の資産を活かして満たせばいいのですから。地方創生というならエネルギーからと申し上げるゆえんです。
 自分の手元足元にどんなエネルギー源があるかを考えることは、わがふるさとに興味と関心を持ち、地域資源を最大限に活かしいくきっかけになります。そして、エネルギーの地産地消を進めることは、人を人をつなぎ顔の見える関係を広げることにつながります。しなやかで強い地域を創るためにもエネルギーは最適な題材です。SDGsに見られるように、新しい経済のあり方が求められ始めました。持続可能な経済は、持続可能なエネルギーが必要です。持続可能な未来に向けて、エネルギーはエネルギーに留まらない夢のある話だと思います。
 全国組織を目指して設立したエネ経会議ですが、ここ2年間は実例を創るために、敢えてある地域、特に私の地元である神奈川周辺に焦点を絞って活動してきました。おかげさまで、参考にしていただけそうな具体の取り組みが形になり始めました。そこで、今年度はその事例を全国へお知らせしていく活動を展開してまいります。具体的な活動としては、各地で6回ほど勉強会を開催する予定です。そして、全国各地での動きを促進してまいります。「エネルギー何でも相談所」がフル稼働でお手伝いします。
 私たち中小企業経営者は、自社、自分の地域という私たちそれぞれが自分が影響力を発揮できる現場を持っています。その現場で小さくともいいから新しい現実を創っていくこと。最初は個々の小さな動きかもしれませんが、エネ経会議の会員の皆さんが手を携え知恵を集め力を束ねることで、いつしか大きなうねりになることという大望の下、一つひとつ実績を積み重ねてまいります。
 持続可能なわがまちの血流となる持続可能な経済は持続可能なエネルギーで。ますます意気盛んな一年にしたいと思います。

追申

1.外務省の気候変動に関する有識者会合について
  2月のエネルギーに関する提言に続いて、近々、最終提言を河野大臣に提出します。
  内容は追ってお知らせいたします。請う、ご期待!

2.恥ずかしながら、新聞の連載に
  日経産業新聞の「仕事人秘録」というコーナーに4月11日から取り上げていただいて
  おります。10回ほど連載が続きます。ご笑覧ください。
 

 


 

◆ 鈴木代表理事 行動予定

4月17日(火)  9時〜  エネ経事務局会議(鈴廣)
4月19日(木)  10時〜  鹿児島県肝付町様視察(鈴廣)
   17時〜  外務省訪問(外務省本省)
4月20日(金)    小泉元首相視察 (恵水工場、ソーラーシェアリング、千世で懇親会)
4月27日(金)  9時〜  エネ経事務局会議(鈴廣)
5月14日(月)  午後  国谷様視察・会議所会員大会
5月15日(火)  11時〜  エネ経事務局 議(鈴廣)
5月23日(水)  19時〜  エネ経何でも相談所懇親会(ライオン銀座7丁目店)
5月24日(木)  13時〜  エネ経事務局会議(鈴廣)
5月26日(土)    エネ経総会(東京 紙パルプ会館)
5月27日(日)  13時〜  エネ経四国勉強会(香川県 生涯学習センターまなびCAN)
6月3日(日)  14時〜  エネ経氷見勉強会(富山県 氷見市漁業文化交流センター)
6月23日(土)  13時〜  あさお自然エネルギー学校講演(川崎市麻生区役所会議室)
7月2日(月)  午後〜  会計士協会講演
7月14日(土)    ソーラーシェアリングサミット(小田原コンベンションホール)
7月28日(土)  10時〜  日本に健全な森を作り出す10周年記念シンポジウム(毎日新聞社毎日ホール)
8月25日(土)    「おだやかな革命」あしがら小田原ジャック計画(神奈川県西)
9月2日(日)  午後  鎌仲様上映会・エネルギートークセッション
10月27日(土)    ローカルサミットin小田原
〜28日(日)