昨年3月に末吉さんが「−削減⽬標の早急な引き上げを−」というコメントを出しています。(昨年3月末吉代表コメント)政府が2030年のCO2削減目標26%の見直しを行わずそのまま出すという方針に対してのコメントとなります。
国の目標26%の根拠は環境省の「国内外の最近の動向及び中長期の気候変動対策について」というスライド114Pもある中のP62にあるように現状と同じCO2削減率で推移すると2030年には26%削減となるというところにあります。(国の根拠参照)
JCIの今回のメッセージは「電源構成に対する再エネ比率は40-50%、CO2削減国別目標を最低でも45%」とすることを求めるというものです。
この実現性については自然エネルギー財団の提言、WWFの提言の二つを根拠とするというものです。
1.自然エネルギー財団の提言(持続可能なエネルギーミックス ):スライドP20、P21
2.WWFの提言(2030年エネルギーミックスへの提案)
よって、年⾃然エネルギー約を⽬標とすることは、現状の電⼒システムのインフラ内で可能ということが⽰された。
その結果、年には最終エネルギー需要で⾒ると年⽐で約減少する。その途上である年には、最終エネルギー需要は年⽐で減少する。
国の目標26%の根拠は環境省の「国内外の最近の動向及び中長期の気候変動対策について」というスライド114Pもある中のP62にあるように現状と同じCO2削減率で推移すると2030年には26%削減となるというところにあります。(国の根拠参照)
JCIの今回のメッセージは「電源構成に対する再エネ比率は40-50%、CO2削減国別目標を最低でも45%」とすることを求めるというものです。
この実現性については自然エネルギー財団の提言、WWFの提言の二つを根拠とするというものです。
1.自然エネルギー財団の提言(持続可能なエネルギーミックス ):スライドP20、P21
- エネルギー使用効率化推進により、電力需要は2010年1,035TWh→2030年850TWhとなる。
- 2030年電源構成比率:再エネ45%、天然ガス54%、石油等1%、原子力、石炭火力0%
- 再生可能エネルギー比率内訳:太陽光19%、風力9%、水力10%、バイオ6%、地熱1%
2.WWFの提言(2030年エネルギーミックスへの提案)
- 2030年電源構成比率:再エネ47.7%、天然ガス42.3%、石油・LPG7.9%、原子力2.1%、石炭火力0%
- ⽯炭全廃の⽳埋めとしては、現状稼働率が35〜50%以下である既設のガス⽕⼒の稼働率を、60〜70%程度にあげることで賄える。新たにガス⽕⼒を新設する必要はない。
- 10電⼒地域に存在する実際のガスと⽯油⽕⼒の設備容量を元に、⽯炭⽕⼒を使⽤せずに、想定した⾃然エネルギーと既設のガスと⽯油⽕⼒で、過不⾜がないか、全国 842 地点の AMEDAS2000 標準気象データを⽤いて1 時間ごとの太陽光と⾵⼒の発電量のダイナミックシミュレーションを通年で⾏った結果、再エネ47.7%は導き出されたものである。
- 沖縄を除く9地域において、現状の地域間連系線などのインフラを増強することなく、⾃然エネルギー47.7%が可能であることが⽰された(沖縄はバイオマス発電等の増強を想定)
よって、年⾃然エネルギー約を⽬標とすることは、現状の電⼒システムのインフラ内で可能ということが⽰された。
- 省エネルギー量21.5% (2015年⽐)が可能
- ⼈⼝減少のため産業の活動が2050年にかけて80%に縮⼩し、途上国と競合する原材料の輸出はなくなる。
- 代わりにIoT・AI(⼈⼯知能)情報機器、⾃動運転⾞、ロボットなどの輸出が150%に増⼤し、機械・情報産業は150%に成⻑する。これによって⼈⼝減にもかかわらず、⽇本の経済成⻑率は維持され、GDPは増⼤する。
その結果、年には最終エネルギー需要で⾒ると年⽐で約減少する。その途上である年には、最終エネルギー需要は年⽐で減少する。
- 電化の推進と燃料・熱需要のための余剰電⼒を使ったグリーン⽔素の活⽤
- 現状化⽯燃料を利⽤している運輸部⾨や産業⽤の⾼熱⽤途を、⽔素で代替していく。その⽔素を化⽯燃料から作るのでなく、⾃然エネ由来の電⼒を使っての⽔分解によるグリーン⽔素が化⽯燃料脱却への道筋となる。
- 太陽光と⾵⼒発電など変動電源による発電量と電⼒需要を合わせるために、電⼒需要を超える発電が必要となる。したがって余剰電⼒の発⽣は必然となる。本シナリオでは、2030年段階で余剰電⼒が電⼒需要の約1割発生するシナリオ。その余剰電⼒でグリーン⽔素を作り、脱炭素化が難しい燃料と熱需要に使うことで、エネルギー全体を脱炭素化していく。
- 鉄鋼業からのCO2削減について
- 脱炭素社会のためには、鉄鋼や化学産業から排出されるCO2をどうするかが⼤きな課題となる。中でも⽇本のCO2排出量の15%を占める鉄鋼業からの排出削減は、2011年から発表してきたWWFシナリオにおいても、最後まで将来の技術⾰新にゆだねざるを得ない部分が5%ほど残ってきた。
- 産業構造の変化で、鉄鋼産業の活動度が国内では53%に低下する(鉄鉱⽯⽣産地や需要地へのシフト)。⾼炉(鉄鉱⽯を⽯炭で還元して製鉄)から電炉(スクラップ鉄を電気で溶かして製鉄)へと移⾏し、電炉由来の製鉄の割合を現状の3割弱から欧⽶並みの7割へと上げていく。これにより製鉄プロセスからのCO2排出量は4分の1となる。先進国である⽇本は都市鉱⼭であり、市中には約15億トン蓄積されているため、2050年頃まではスクラップ鉄の供給不⾜の問題はないとされている。
- ⾼炉に代替する製鉄技術として、CO2を排出しない⽣産技術である電気分解⽅式と⽔素製鉄を検討した。すでに⼩規模だが天然ガスによる直接還元製鉄が⾏われており、⽔素製鉄はこの技術の延⻑線上にある。
つまり、(1)日本における鉄鋼産業の活動度が減る(2)高炉から電炉への変換(3)技術革新による水素製鉄により鉄鋼⽣産由来の排出量の脱炭素化もより現実味がでてきた。
※2050年ゼロを見据えた 「2030年エネルギーミックス」と「パリ協定国別削減目標(NDC)」提案 |WWFジャパンより抜粋
WWFのシナリオでは「2030年までに⽯炭⽕⼒全廃⽌、⾃然エネルギー47.7%、省エネルギー21.5%(最終エネルギー需要)、そしてCO2排出量49%、GHG排出量45%削減が、技術的には現状のインフラの延⻑線上で可能である」となる。